廃材や天然素材の塗料化をきっかけに、”モノづくりの在り方”をデザインするプロジェクト「NULL」。
“NULL”は、プログラミング言語において、「何も示さないもの」を表すのに使われる言葉です。私たちは、そのままの状態では価値を見出されない天然素材や廃材を含めた身のまわりにあるものを素材と捉え、その素材を塗料として生かすことをきっかけに、”モノづくりの在り方”をデザインします。
身近で実感のある、または想い入れのあるものを素材に選び、関わる人々、皆で共に素材に触れ、対話しながら物語を生み出し、最終的に製品やサービスを作り出す。この体験の共有が、クライアントと受注者のような既存の枠組みを超えて、各々が能動的に関わる”モノづくりの在り方”を自然と創り出します。
今までの幾つかの実践を経て、人と素材、人と人の距離を再び近づけるこの取り組みが、各プロジェクトそれぞれの共有の連鎖によって「文化的なるもの」と「経済的なるもの」が自然と重なり合う共創社会を醸成していくに違いないと感じています。
また、NULLが提案するこの塗装方法は、塗り足しや重ね塗りが可能です。経年によってヒビや割れが出ても様々な素材で継ぐことが出来ます。そうしたメンテナンスを繰り返しながら使い続けることで、唯一無二のモノが育ち、モノへの愛着も増していきます。そんなモノとの付き合い方が、自然とモノの寿命を伸ばしてくれると考えています。
DATA
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NULL
髙橋慶成(ディレクター、デザイナー)、中村修平(ディレククター、塗装職人)、高須浩輔(ディレクター、塗装職人)、板垣潮美(ディレクター、PR)